単なる覚書(言葉についての言説もまた言葉である)

カタカナ語の言いかえ提案
http://www.ninjal.ac.jp/gairaigo/Teian1_4/index.html

NHKが不必要な外来語を乱用したことにより精神的苦痛を受けたとして男性がNHKを訴えたそうな(現時点で2か月以上前の話ですが)。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/25/adopted_words_n_3498850.html

記事についているコメントにもいろいろありますが、一部のコメントにあるようなお金欲しさとかモンスタークレーマーってわけじゃないと思うんです。記事では日本語を大切にする会みたいなのの世話人ってことで、これの前にNHKに質問状を送ったりしているとありますから、これを契機にNHKその他メディアに外来語の安易な使用について考えてほしいってことではないかと私は思います。考えさせるための手段が裁判、というのは、裁判所関係各位の手を徒に煩わせることになるのではないかと思い、全面的に賛成ってわけではないですが。またこの男性の意見そのものにも賛成ってわけでもありませんが(NHKの報道をあまり見ていないので、外来語を不用意に使いすぎているかどうか判断できないのです)。
でもごく一部ではありますが、単純に「お金欲しさでこんなこと訴えて…」みたいなコメントをするひとがいるのだなあ、本気で真面目に考えてなのかなあ、と不思議な気持になりました。

言葉はよく考えてから話す、後に残る書き物であればなおさらだ、という考え方は古いのかなあ。

あくがれ

長靴下のピッピの次は、ドラえもんである。
自分の体自体がコンパクトなことと、日本の住宅事情も相俟って、密かに「ロフトベッド」というものに憧れていた。
寝るのにそんなに高さはいらない。であれば、寝床を天井近くにまで持ち上げ、その下の空間を有効活用するのって、とっても合理的ではないか。しかも上のベッド部分は下から見えないし、下のえてしてクロゼットやデスクが入ったりしている空間は取り囲まれた感があり、どちらも「ひみつ基地」感を盛り上げてくれるではないか。合理性、機能的という言葉に弱い上ヒッキーな私は、一人暮らしを始める時にかなり本気で購入を検討したものである。結局、注文するにしても組み立てが死ぬほど大変そうなのと、布団を出したり仕舞ったりする方が空間活用的には断然有利なので、実行には至らなかったが。
その憧れが、奇しくもこの異国の地に至りて実現するのだ。
ロンドンは東京以上に家賃が高くて、住居の省スペース化も必至である。ロフトベッドがあるのも、むべなるかな。とはいえ、いろいろ家も見て回ったが、ロフトベッドのある部屋って初めて見た。物件の紹介写真とかでも見たことない。そんな希少な(推測)ロフトベッドとワタクシが巡り会ったのも何かの縁、と次なる祝福の地ロンドンでの住居(フラットシェア)はロフトベッドの部屋にしてみた。いいのかそんな決め方で。
何より、このお家には、犬犬と猫猫がいるのである。二匹ずつなのである。
いいのかそんな決め方で。

9月よりロンドンに引っ越しますよ。

なにもなく

ドーナツピーチ、という桃が好きです。
その名のとおり、普通の桃の上下方向のボリュームを3分の1くらいにした感じの見た目ですが、白桃で、甘くて、日本の桃と似ている感じがします。
初夏が旬らしいのですが、夏中ずっといろんなマーケットをさまよっては見つけては買って食べていました。もぐもぐ。こないだ8個で1ポンドとかで売っていて、安い!と思って買い、食べきれるかなーとか心配しましたが、あっという間に食べ尽くしました。
一度、見た目はドーナツピーチなのに中身が黄桃だったことがありましたが。あれはなんだったんだろう…。コンポートにして食べましたけども。
日本にいた頃、桃は高かった気がするのでこんなには食べていませんでした。本当は桃大好きなのです。くっそう、イギリス、果物が安くておいしいなあ!

イカも売られております。日本のより皮の色が薄めかも。あまりシャキシャキはしていない食感で、日本のもの程は甘くないけど、スイカの香りと味はします。そのかわり、種が硬くなくて小さいので、そのままもしゃもしゃ食べられてしまいます。小玉(2kgくらい)のものは2、3ポンドで、大玉(買ったことないから重さわからず。5,6kgはありそう)は6、7ポンドくらいかのう。こないだ中玉くらいのものが1ポンドで安売りされていて、冷蔵庫に小玉が1個控えていたにもかかわらず、買ってしまいました。スイカも大好きであります。

ちなみに、野菜果物の値段は旬を反映してかそこそこに変動します。特に葉物野菜。いつも買っているキャベツだと、紫キャベツが冬の最安値1kg 69penceだったのが、じわじわ値が上がってきて、最近では1kg 95penceになってきました。一方、夏の間は見なかったsavoyキャベツがまた最近出てきて、これも最安値は晩秋頃の2個1ポンドくらいだったと思いますが、今は出始めだからか1個1ポンドくらい。

季節の変動を野菜売り場の動向から感じるのですが、慣れていない野菜果物が多いので、季節を感じる、までにはまだ至りませんなあ…。お、サボイキャベツが出てくるなんて秋だなあ…(適当)とか言ってみたいです。

克服

嫌いな食べ物は干しぶどう、とドライフルーツ全般。と、自己主張ができるようになって以降延々と述べ続けていたが、ここにきて、クリスマス時期にミンスパイ、イースター時期にホットクロスバンなどを多食した結果、別に大丈夫になった。
別に好んで食べたいわけではないが、今までドライフルーツを見るとげーっと思って三歩離れて目を逸らしながら通り過ぎ、チョコチップパンかと思って近づいたら干しぶどうパンだった場合に心の中で呪詛を吐き散らしていたのが、別に避けるほどでもなくなったという感じか。その流れで、現在ムスリムの人たちがラマダンに入っている関係で、テスコなどのスーパーにもわさわさ並んでいる「デーツ」を買って食べてみた。ナツメヤシの果実を干したやつである。
あれ…うまい…。めちゃくちゃ甘いのだが、ドライフルーツ特有の「ぐにゅぶちゅっ」とした感じがあまりなく、わりとじゃっくりとした触感。味もドライフルーツ特有の金属っぽい果物味がなくて、お菓子っぽい。干し芋干し柿の中間みたいな感じだ。
ふむ。これはよいものに気がついた。カロリーはわりと高いが(買ったものには50gで144kcalと書いてあった。20粒くらい入って200g)めちゃ甘いのでそんなにたくさん食べられないし、少しで十分お腹にたまり、小腹がすいたときのおやつにぴったりである。

…と思ったが、お腹にたまろうがなんだろうが口寂しさにおやつを食べてしまう自分にはヘルシーなおやつも何もないな、と気づいた。

まめたん

テスコ(大型スーパー)でProcessed Marrowfat peasというものの缶詰が売っていた。なんだべと思って買ってきて調べてみると、青エンドウ豆のこと。若いうちに収穫すればGarden peas、熟してから収穫するとMarrowfat peas、ということらしい。日本でも若い順からサヤエンドウ、グリーンピース、エンドウ豆、と名前が変わるんだね。

とまれ、英語版Wikipediaを見ていたところ、気になる項目が…。
The name marrowfat pea for mature dried peas is recorded by the Oxford English Dictionary as early as 1733. The fact that an export cultivar popular in Japan is called Maro has led some people to assume mistakenly that the English name marrowfat is derived from Japanese.
要するに、「日本に輸出されていたメジャーな品種の名前がMaroって言うから、マローファットって名前が日本語に由来していると考えている人がいるけど、オックスフォード辞典に「マローファット」という項目が1733年には登場していることから、それは間違いだね」という感じ。
Maro? なんのことだろう。きいたことないなー。
このへんを見ると、
http://www.wordiq.com/definition/Pea
http://en.wikibooks.org/wiki/Cookbook:Pea
日本向け輸出品でメジャーな品種の名前がMaroだったというように読める。つまり英国での英語の名前であって、そも日本語ではない、のではないか。

いろいろ調べてみると、誤解の最たるページはここではないかと。
http://www.hungrybrowser.com/phaedrus/m011602.htm#4
The Maro variety of dried pea originated in Japan and was introduced to England one hundred years ago. The Japanese asked the English to grow these maro peas for them as England's climate was so good for pea growing. They said that they wanted fat maros - good plump peas. Thus they became known as marrowfat peas.
「Maro種は日本原産で、100年前にイングランドに導入された。イングランドの気候が豆の栽培に適していることから、日本人から栽培を依頼された。その際日本人たちは『まるまると太ったMaros(fat maros)』が欲しいと言っていた。だからマローファットという名前で知られるようになったのである」
いろいろ細かいディティールが加わり、見てきたような物語りっぷりである。

このサイトは、よろずご質問お答えします的な掲示板から発展していったもので、特に料理の質問に特化していって、サーチエンジンにピックアップされたりして有名になりました…というような歴史を持っているらしい。少なくとも彼らはそう語っている。
いまいちこれがどういうノリと影響力のサイトか分からないのでなんとも言えないが(真面目に質問に答えているのか、でたらめな答えを創作していく芸なのか…)。彼らがいうようにこれが人気のあるサイトであるならば、この影響で誤解している人がいるのかもしれない。

日本豆栽培協会みたいなところに、マロ品種について聞いてみるか…?

…って、何をやっているんだ私は。
こうして調べ物というのは寄り道に寄り道を重ねていくのであるなあ。

夏はきぬ

ここ最近イギリスでも暑い。というか私の部屋が暑い。
長靴下のピッピなどの影響により最上階に位置する屋根裏部屋を選択したのだが、見事な温室っぷりである。一階は涼しいのに。
暑いのでアイスを食べるのである。ハーゲンダッツの大型(500ml入り)なんて日本にいたころあんまり見なかった気がするのだが、こちらでは大型がメインで食べきりサイズは隅っこにちょっとあるだけ。500入ってテスコやセインズベリーなどのスーパーの通常価格で4、5ポンド程度なので、日本で120mlカップが250円くらいだったことを考えると、若干お安いと思われる。安売りのときは半額で2.24ポンドとかになるので喜んで買う。

チョコミント。見たことなかったので買ってみました。


色は青緑じゃなくて白いです。ミントの葉っぱとチョコレートが両者細かく刻まれて入っております。ミントが爽やかでおいしいです。

好奇心

イギリスの食事はまずいという。一方でちゃんとした家庭料理はおいしいという話もある。

10ヶ月をイギリスの地方都市で暮らして思うことは、イギリスにはおいしい食事が少ないということだ。もちろん店を選べばおいしい食事は食べられるだろう。でも、適当に事前情報なしに普通の店に入って普通に食べると、普通にがっかりできる確率がかなり高い。なのでレストランにふらっと入ることがなくなっていたのだが、ふと、好奇心からキャンパスのカフェテリアはどうだろうかと試してみる気になった。
キャンパスとは言っても、殆ど病院で、病院の一画に研究棟が1つある感じなので、病院のカフェテリアといった方が実情を正しく表しているだろう。
肝心のメニューはというと、お馴染みジャケットポテトのほか、チキンのソテー、ラザニア、クオーン(代用肉)のバルティ(本来は焼きカレーである)といったホットメニューと、付け合せの野菜、デザートのケーキとパック入りのサンドイッチやバゲットがあるようだ。

…で、結局さらなる好奇心に悩まされることになる。
どうやったらカレーをここまでおいしくなく作ることができるのか???