あくがれ

長靴下のピッピの次は、ドラえもんである。
自分の体自体がコンパクトなことと、日本の住宅事情も相俟って、密かに「ロフトベッド」というものに憧れていた。
寝るのにそんなに高さはいらない。であれば、寝床を天井近くにまで持ち上げ、その下の空間を有効活用するのって、とっても合理的ではないか。しかも上のベッド部分は下から見えないし、下のえてしてクロゼットやデスクが入ったりしている空間は取り囲まれた感があり、どちらも「ひみつ基地」感を盛り上げてくれるではないか。合理性、機能的という言葉に弱い上ヒッキーな私は、一人暮らしを始める時にかなり本気で購入を検討したものである。結局、注文するにしても組み立てが死ぬほど大変そうなのと、布団を出したり仕舞ったりする方が空間活用的には断然有利なので、実行には至らなかったが。
その憧れが、奇しくもこの異国の地に至りて実現するのだ。
ロンドンは東京以上に家賃が高くて、住居の省スペース化も必至である。ロフトベッドがあるのも、むべなるかな。とはいえ、いろいろ家も見て回ったが、ロフトベッドのある部屋って初めて見た。物件の紹介写真とかでも見たことない。そんな希少な(推測)ロフトベッドとワタクシが巡り会ったのも何かの縁、と次なる祝福の地ロンドンでの住居(フラットシェア)はロフトベッドの部屋にしてみた。いいのかそんな決め方で。
何より、このお家には、犬犬と猫猫がいるのである。二匹ずつなのである。
いいのかそんな決め方で。

9月よりロンドンに引っ越しますよ。