今更だが

虐殺器官を読みましたよ。

言語学が好きで、生物屋である自分には、その器官の説明は非常に解りやすく馴染みのあるものであったけど、そんなこととは多分関係なく、最終的に顕現するその世界の光景が、非常に美しいと思えてしまった。

世界が円環を描いて閉じる感じ。
SFにあのアイディアがあり、この世界にあの国があり、あの論理があるのであれば、これは当然の、論理的に明白に在り得べき帰結だ。
まるで証明問題の美しい解答を見るような。
正しさを味わってその論理を幾度も飽きることなく反芻する。


いつから自分は、世界を滅ぼそうとする悪役の方に共感するようになったのだろう? 何故悪役が世界を壊そうとするか理解できなかったのは、いつまでだったのか?