多分好きなタイプだ!
獅子宮敏彦『神国崩壊』
- 作者: 獅子宮敏彦
- 出版社/メーカー: 原書房
- 発売日: 2009/05/01
- メディア: 単行本
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架空の国(中国やモンゴル、トルコあたりに似ている)の隠された歴史を書いた本、それにまつわる謎の話…。
世界観を独自に作ってきているので、トリックの自由度は高い。が、トンデモに終わらない。世界描写が濃密なので、トリックがかなり大技でもしっかりと支えられている。私は正当派日常の謎ものも好きですが、頑張っている大技も大好きです。
刮目すべきは第二部第三話『輦(れん)の誕生』(文字化けしてるかもなので補足すると、れんは夫が二つ並んで下に車という字)。とあるトリックが使われているのだが、何をどういってもネタバレになるので詳しくは言えず。読者によっては、「はあ? だから?」と言われそうな構造にチャレンジしているのが非常に素晴らしい。某氏の某作品に近い。その時も激賞しつつ思ったが、これはもうちょっとうまく使えるトリックのはず…。
第一部、第三部はその歴史書を読むに至る経緯とそれにまつわる「探偵府」の話なのだが、そこで披露される小出しの推理が石持浅海風で楽しいです。
というわけで、かなり好きになりそうな作家さんです!
本格好きは読んで損はなし!