モルグ街の白昼夢

P・T企画作のお芝居。
ホームズと、マープルと、ポアロと、エラリーと、明智と、火村英生がでるというミステリー劇。
…まあ、お遊びものだよね、とあまり内容については期待しないで行ったのですが。
申し訳ありませんでした。
と臥して自らの不明をお詫びしたいです。

はしなくも、ワタクシ感動してしまいました。
これぞ、これぞ本格スピリッツです。

綾辻か有栖川がミステリを論じる(安楽椅子探偵かなんかだと思いますよ)のに、「よい切り込みの入った…」という言葉を使っていた。まさに。素晴らしい切り込みが入っていた。
私もそれには気づいていたんだよ、で、考えてもいたんだよ。明らかに謎は積み残されていたんだよ、でも「どうせ企画モノ推理劇だから」となめていたんだよ。
その傲りに激しく反省いたしました。
傲らず、真剣にちゃんと考えていればとけた(と思えるような妥当性を感じさせる、という意味、実際に解けたかどうかは主観的思いこみもあるので一顧だにされない。)正当にしてあからさまな伏線の張り方、つまり、「切り込み」の入りかた。
そして「名探偵」というものに対する哲学。
背筋がぞくぞくいたしました。
この脚本を書いた人は、きっと本当にミステリが大好きなんだなあ!

これはいいものを見せていただきました。修行して出直して参ります。
ありがとうございます!

どうでもいい話。
先日とある医薬品卸売会社の情報誌みたいなのに、ある人のコラムが掲載されており、自身が社会学部出身であると言っていました。そこで「社会学部なんていう何をやっているのかわからない怪しげなところには探偵なんていう怪しげなものがいるのだ(火村准教授とか)」ってなことが書かれていて、おお〜っ、仲間〜と思いました。
仲間はどこにでもいるもんですなあ…。