ものいはば

死を映す悪魔,応募してきましたよ。
ちなみにRの刻印も出しましたけど,イーピン企画のものらしく,犯人当て小説というよりは「推理クイズ」になっていてあまり感心しませんでした。
最後の「気づいたことがあれば書け」は,ミステリナイトに参加したことがない人には,意味がわからないですよ。そこにも主催者側の想定している解答があり,それに該当することを書かないとポイントにならないのだ,ということが,部外者には全く理解できない書きぶりです。

形式や文体や設定やキャラクタやご都合主義やなんやかやはアレですが,ミステリとしては,死を映すの方にやはり軍配があがる。
やはりミステリはスピリットであるなあと感じるわけです。
ミステリとはクイズではないのです。絵葉書の謎とかアンクの書とか,解きながらそのあまりのクイズ的な脳の使用法に「何やってんだ俺…」と泣きそうになりました。
死を映す…は一読時は情報が少なすぎる気がして(特に水槽のあたりに関しては,あれから由里香が何に気づいたかを特定することはほぼ不可能では?と疑問に思いました。死体の向きが違うのかなあと思ったけど,死斑が顔に出ているということは,下向きで放置されていたわけですもんねえ。)いましたが,その辺を想像力で補って読むと,結構好きな論理立てです。トリックとしても,結構斬新では?…こんなところ(失礼!)で使うにはもったいない…。でも真面目に小説で使うとあまり見栄えがしないのかもしれませんね…。いや,あくまで私の推理があっていれば,ですが。でもおそらくあれ以外にはありえない。切れ込みの入り方が,あそこから破れと言っている!

とまあ,唇が凍るように寒いわけで,口笛なぞ吹いてみるのです。