研修です

最後の一撃 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-14)

最後の一撃 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-14)

 これは『ローマ帽子』の次に起きた、エラリイ(単独では)最初の事件。クリスマスを祝う十二夜のパーティーに招待された十二人の客。主人は大富豪の息子ジョンで、今度の誕生日に遺産を相続することになっている。婚約も決まり、詩集も出版され、幸福そのもの。そこに「あなたを一番愛する私より」にはじまるメッセージとともに、奇妙な贈り物が送られてくる。そして誰も知らない老人の死体も。
 主人公には昔生き別れになったはずの双子の弟がいた。兄はどうやら、弟の存在に気付いている? 二人は入れ替わっている?
 メッセージはエラリイをからかうように降り積もり、とうとう最終日にジョンが殺される。
 この事件の解明は、27年後に持ち越されることになる…。

 きましたね。
 すごいな。後期クイーン問題の後に、これを書く勇気がすごいと思うのだ。だからこれは昔の事件でならなければならなかったかもしれない。
 それにしてももう一つのトリックにはたまげた。えええっ?! いや、ああ、今冗談のように使用されているネタの原型はこれだったのか?