大違いはお前だ!

12日に放送していた「あなた説明できますか?」http://www.tbs.co.jp/program/anatasetumeidekimasuka.html
を録画して今日見た(出演者のくだらないトークをすっ飛ばして結論だけ見るため)。
この番組は日常生活でよく使われる「同じものを指すのではないか」と多くの人が考えている言葉の違いを説明するという趣旨。たとえば「ファスナーとチャック」とか、「おじやと雑炊」とか、「ベランダとバルコニー」とかの違いについて説明するわけだ。ファスナーが世界共通語で、チャックは日本独特の呼び方、というのは知っていたが、雑炊はごはんを洗って調理するものであり、ベランダは植民地を発祥とする屋根がついた涼むための施設で、バルコニーは庭を眺めるように二階につけた見晴らしのための施設だった、などは知らなくて勉強になった。

今回は「ミステリーとサスペンスの違い」を問題にしていた。

はあ?
ちょっと待て、これは「似たような言葉」の違いを解説する番組なんだろ? そんなの一緒くたにしてんのは、今は無き某火曜ドラマ枠とかのテレビ関係者だけだろ?
他のテーマは「おにぎりとおむすび」とか「たたくとぶつ」とか、確かに「え、どう違うんだろう?」と思ってしまうようなもの。
でもこれはあからさまに違うだろう。言ってみれば「テレビとビデオはどう違うか」と訊いているようなものだ。

と瞬間的に沸騰する。ばかか。私は。
まあ気を取り直して、出演者のどうでもいい意見はとばして(ちなみに出演者たちも、他の問題に比べて簡単、という感じで答えていたように見える。他の問題では違いがわからなくてとんでもないようなところに目をつけていたのに、わりと本質に近いところで答えていた)、解答をちょっと楽しみに見る。その道のプロが出てきて違いを解説してくれるのだ。誰が出てくるかな、新保先生だったり…なんて思った私がバカだった。
水野晴郎
あ…そうですか。テレビ人的に考えるサスペンスやミステリーと言えばそっちになるのね…。

そして違いは
「ミステリーは最後に犯人がわかる。サスペンスは最初に犯人がわかる」
…もし。


ま、それはいいや。どうせはじめから期待なんてしていなかったし。
とここではあまり傷を負わなかったが、問題は次だ。大きく二つのことで抗議衝動を覚えた。

1 世界最長のミステリーとして二階堂黎人の『人狼城の恐怖』が紹介されていたのだが、そこにふられていたルビがにかいどう「けいと」。ナレーションでも「けいと」とはっきり言っていた。

2 まったく何の予告もなく『オリエント急行の殺人』のネタばらしをしていた。

 おい。
 正確な定義なんてはなから期待してないけどさ、「マナー」くらいは守ろうぜ、社会人として。あんたらが同じ番組で言っていたろうが、対社会の礼儀なんだろ、「マナー」は。マスメディアの人間なんだから、倫理だろ。
 せめて、せめてだぞ。読み方くらい確認しろ。