死神の精度
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ネタやオチや真意や解決の付け方や話のまとめ方やらが全部手に取るようにわかっても、面白く読んでしまうのはなぜだろう。
例えばこれが谺健二とかだと、読みながらものすごくいらいらする。これが伏線でこれが動機でこれがトリックでこれが「感動の」落としどころでしょ?!んなこたわかったから、だらだらだらだら書いてんじゃねえ!と思う。ラストにたどり着くと、本をすぐさま壁に投げつけて踏みたくなる(一度読み出した意味の分かるテキストは最後まで読まないと気が済まない)。
それが伊坂だとない。あ、伏線だ、あ、落としどころはそこなのね、てことは、この人はやっぱりこうで、次のエピソードはこうだよね。と先読みできても、その通りに話が続いても、全然不快ではない(退屈でないとはいわないが)。
これが、予定調和の美しさを楽しむ、ということだろうか。
うむむむ。