汚れっちまった悲しみに

なんとなく心を洗いたくなったので、『のはらうた』with 英語訳を読む。
電車で立ったまま読んでいたのだが、こねずみしゅん氏の詩を読んで、泣きそうになってしまった。いや、ちょっと泣いた。
子供の頃読んでも別になんとも思わなかったのに、こんなにも泣けるのはどうしてなのだろう。

あと頑張って『羊の秘』を読んでみる。
というのは、東川篤哉氏の講演会の影響だ。バカミスを敬遠していたが、読んでみようと思ってのこと。
なんか思っていたのと違った。意外にもテイストが真面目だった。真面目に、馬鹿をやっている。とても正気とは思えない馬鹿に対し、登場人物はみんなひどく真面目だ。誰もつっこまない。というかそれを当たり前の、もしくは畏怖すべき真実としてとらえている。うそーん。
非常に『鈴木先生』と似ている。あれもギャグとしか思えない精緻な展開と台詞回しのくせに、誰もそれをギャグだと言い出さない。みんな死ぬほど真面目にやっている。
まるで御手洗潔のように。
あー、やっぱ御手洗シリーズはバカミスでよかったのか…。というか、霞をバカミスというなら、御手洗シリーズの一部こそバカミス以外の何者でもない。特に『水晶』『アトポス』そして究極の『暗闇坂』は。
別にけなしてるんじゃないんだからねっ。

うーん。不思議だ。バカミスの楽しみ方が私にはよくわからない。真面目な登場人物に対して読者たる私がつっこみながら読めばいいのか、それとも心情的には寄り添って、トリックに驚嘆すればいいのか? つっこみながら読むにしても、延々つっこみ続けざるをえないので疲れるし、驚嘆できるほど人間が豊かではない。
だれかバカミスの正しい読み方を教えてください…。