神は細部に宿る

トリックが一目瞭然。あとはそいつを軸に事件を全部引き寄せて読めば終わり。ええ?

いつも思うのだが、黒田研二は細部をいい加減に書きすぎだ。今回も、とある写真について、出たときは「男三人」が写っていたことになっているのに、後半で「女の子に囲まれて」写っていたことになっている。しかもそれは重要な伏線なのに!
また、とある容疑者について、突然襲われて弾みで殺してしまった、というような推測をしておきながら、まったく同じページで「そういえば、(殺人が起きる何時間も前に)出かけていた。あのとき何か死体を運ぶ下準備をしていたのかもしれない」と言ってみたりとか。

トリックが一読丸わかりなだけに、こういう矛盾が伏線で、ひっくり返すのか? と真面目に読んでしまうじゃないか! 主人公が馬鹿であることを書きたいのか、そうすることに何の意味があるのか? ないように見えますけど。それとも本当に作者がそうなのか?

あと怪しい知識を思いこみで書くのも恐ろしい。ある少年が、「彼はいつも公衆電話からメールを送ってくるので、メールアドレスはわかりません」という旨の発言をして、誰もそれにつっこまない。これは、作者がそういう風に思っていると理解してよろしいのですね? 公衆電話から「メールアドレス」を持った、つまりショートメッセージ等ではないメールが送れると? (※何処藻や英雄なら、公衆電話からポケベルのようにショートメッセージが送れます。)