さむい
二週連続でミステリ書店に行き、どっさりと買いこんだがまだ一冊も読んでない。
- 作者: 永嶋恵美
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/11/29
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 作者: 小路幸也
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/04/25
- メディア: 単行本
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両者ともミステリ・フロンティアから出していながら、ミステリではない。
前者は作り的には単純で、もう一ひねりあるかと予想して読むすれた自分が悲しい。けれどかなりよい。終盤の救出シーンでは泣けてきてしまった。
後者はルールの設定や書き方がずるすぎて「ファンタジーミステリ」や「異世界ミステリ」には数えられない。でも普通にファンタジーとしてなら読める。
以前デビュー作のいどころのなさを指摘した覚えがあるが、ファンタジーに腰を落ち着けるならまあそれでいいんじゃないか。
ただ惜しいと思うのは、もう少しちゃんと書けばミステリとして成立したと考えられること。面倒だからって伏線の張り方を投げ出しちゃいかんですよ。そしてミステリにすれば感動がもうワンランクあがったはずだということ。謎もないところでの最後の種明かしはただ人を「へえ〜」と言わせるにすぎない。
一応張っていると言い張るかもしれないが、例えば序盤での植松の出会いの場面は張り方がささやかすぎだし、植松の翌日の行動に至っては、あれはもちろんそれを成立させるためには必要不可欠な設定なわけだが、それを事情をしらない他人が全く偶然に意図した効果を上げるようにできるなんていう偶然はちょっといただけないと思うわけですよ、それが特に普通では考えられない異常なものである場合は。
ひとりよがりではいけないんですよ、ミステリは。