何かを見て眩暈を感じる、というのは文学的誇張表現かと思っていた。
現在放送中の銀河鉄道のアニメを見た。
すごい。すごすぎる。本当に見ていて眩暈がした。
昭和のアニメ。としかいいようがない。
第一宇宙速度も第二宇宙速度も無視し、ゆるやかに宇宙へと飛び出していく鉄道。コンソールには一面に並ぶレバー。オリンポスまで1時間40分。加速Gの欠片も感じていない乗客。とにもかくにも突っ込みどころが多すぎて、どこから突っ込んでいいかわからず、「昭和の夢」という単語が頭の中をぐるぐるした。
そして極めつけは主人公の家。メーテルばりの美人(メーテルは流石に知っていた)が、銀河亭とかなんとかいうラーメン屋をやっているのだ。
それを見たとき、ああ、これは昭和のアニメなんだそうなんだ、と思った。
- 作者: ドンウィンズロウ,Don Winslow,東江一紀
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 1997/03
- メディア: 文庫
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そうか、これはビートジェネレーションのハードボイルドなのだ。とものすごくスッキリした。この前作を読んでからずっと、これはなんだろうこれはなんだろうと思っていたのだった。
一つの言葉が蒙を拓くというのはあるんだなあ。
でもそうかあ、と思ったその後思考が止まる。同じ話を誰かにしたところで、わかってもらえるかもらえないか、というところに話の焦点が収束してしまう。
物事を僅かな言葉で的確に表現することに砕身し、そのような事が可能とは言わないまでもある程度のところまでは漸近できると思っていたところがあるが、果たしてそのようなことが(ありうると仮定して)いったい何の意味があるのだろうがと思えてきた。