星の牢獄

読了。
ええええええっ。
いまいち。
そして不必要に長すぎる。んなんで400ページ超えるな。しかも高すぎ。ノベルスで出して、300ページ以内に収められたはず。

一番のアイデアSFミステリとみせかけて違いました〜ていうものだと思うのだが、それを書くために作り出す「ミステリとしての形」がどうにも汚すぎる。大枠のアイデアを書きたいがためだけに書いているので、ミステリ部分がとってもとっても雑なのだ。アリバイトリックは単にアレだし、密室トリックなんてアレですよ。ね。冷静に思いだしてみるとどこがミステリなのっていいたくなるようなものばかり。一番はじめの証明写真ブースの一瞬の入れ替わりなんて、読んだ瞬間に答えがわかって、いらいらしませんでした? それともそのいらいらこそがヒントだったのか?イレムの言うことは全部この調子で信じられませんよ〜っていうヒント?

自分のアイデアを書きたいだけって感じがすごくする。『未明の悪夢』からして。『恋霊館』に至っては、ほんとに反吐が出る。あれは書きたいトリックだけが先行しすぎて、読んだ瞬間にわかる。構造が型にはまりすぎ。悪い意味でいろんなエンターテイメントの影響を受けすぎ。受けすぎというよりバッタもの屋さんみたい。

伏線の張り方が汚いんですよ。
これがっ!伏線だああああっ!と全身で主張して書いていて、読む人をとにかくいらいらさせる。「はいはいわかった、トリックはわかったよ、でそれをどう見せてくれるの?」と思いながら読むので、細かい描写とかすげーなおざりに読んでしまう。作者もアイデア大事でその他の部分をすげーなおざりに書いている感じがするので、別に失礼にも当たらないんじゃないかという気がすごくする。
もちっとエレガントに書いてほしいの。

星の牢獄 (ミステリー・リーグ)

星の牢獄 (ミステリー・リーグ)