やはり

てるてるあした

　を読む。
　もうこの人はミステリとか言わないほうがいいだろう。普通の物語を書けばいいんじゃないのか。これは充分面白かったし、キャラクターもよくできている。
　デビュー作の頃から苦手だったが、それは「苦手なミステリ」だったので、「苦手な作家」だったわけではないのかも。
　ミステリとするにはあまりにぬるい。ぬるいのは世界設定であり解決でありキャラクターであったわけだが、ミステリでなく物語であれば許容範囲であろう。べたべたの「純粋な」物語が受ける今ならなおさら。
　もうミステリとか言わなくなってくれれば私は応援するよ。好きな作家に数えてもいい。

　それにしても、こいつが出てきたときは加納朋子のぬるさがましに見えてしまったのだが、まじで日常の謎派とか本格とか言うのやめてくれ。ぬるさを通り越して気持ち悪い。覆面なのはみんなにやっぱりねという目で見られるのが嫌だから？　文体や内容から三十過ぎの夢見がちなおばさまということは明らかですよ、坂木さん。